【サブリース解約】【賃料滞納】【建物明渡】【強制執行】居住者不明の物件について賃料を滞納し、サブリース契約の解約に応じないサブリース会社に対し、仮処分・強制執行により建物を明け渡させ、部屋の取り戻しを実現した事例

1.相談者様の性別、年代、ご要望等

  • 貸主/40代男性
  • 貸家(借家):高層マンションの一室
  • 借主/サブリース会社
  • 滞納されている賃料:50万円以上。ただし、建物を取り戻せれば、賃料回収にはこだわらない
  • 賃貸借契約・サブリース契約の解約及び建物明渡請求、とにかく建物(部屋)を取り戻したい

2.ご相談内容

相談者様は、名古屋市内にお住まいですが、投資目的で、東京のワンルームマンションの一室を購入しました。
駅からアクセスが良く、入居者を募集しやすい不動産とのことです。

その不動産についてお困りとのことで、ご相談にいらっしゃいました。

相談者様は、ワンルームマンションの売主からの紹介で、賃貸管理会社(サブリース会社)サブリース契約(貸主業務代行契約)を結び、入居者の募集から賃貸借契約、賃料の回収まで任せていました。
当初は問題がなかったのですが、突然、部屋の修繕費用の請求書が送付され、支払を拒否すると、それと前後して半年以上、何かと理由をつけて、サブリース会社からの賃料の入金が滞るようになりました

不安に感じた相談者様は、解約の意向をサブリース会社に伝え、先方もメール上では了承しましたが、その後、サブリース会社担当者と連絡がつかなくなり、解約について書面の取り交わしができない状態にありました。

しかも、相談者様が現地マンションの様子を見に行ったところ、どうやら、事前にサブリース会社からもらっていた賃貸借契約書上の転借人(B氏)とは違う人物(C氏)が住んでいるようです。

相談者様は、このような状況の場合、どのようにすれば不動産を取り戻すことが可能なのか、ネットなどで調べましたが分かりませんでした。そこで、不動産問題に詳しい弁護士へ相談することにしました。

「名古屋 建物明け渡し請求 弁護士」などの検索用語でGoogle検索して見つけた三輪知雄法律事務所HPの問い合わせフォームより、ご連絡をくださり、その後、弁護士より掛けさせていただいたお電話にて、初回無料相談の日時を決めました。

3.法律相談後の経過

(1)初回無料相談

初回無料相談で経緯を詳しく伺い、サブリース会社と結んだサブリース賃貸借契約書、従前の担当者とのやり取りのメールなどを見せてもらいました。

担当弁護士から、本件の見通しと弁護士費用の説明を受け、一旦は委任をするか検討したいとのことで、初回相談は終了しました。
後日、相談者様より担当弁護士宛にメールがあり、三輪知雄法律事務所に委任されたいとのことでしたので、郵送にて、委任状及び委任契約書を取り交わしました。

今回のように委任するか否かについて、初回相談の場ですぐに決定しなければいけないことはありません。
じっくりご検討いただき、決定していただければ構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

(2)ありがちなサブリーストラブルとは?

  • 物件(マンションの一室)の所有者:相談者様(オーナー)
  • サブリース賃貸借契約書上の借主:サブリース会社(A社)
  • 賃貸借契約書上の借主:転借人(B氏)
  • 実際の入居者:C氏

最近増えているサブリーストラブルとして、以下のようなご相談が多く寄せられています。

マンション投資に慣れていないワンルームマンションの購入者に対し、悪質なサブリース会社から、「一定の家賃が保証されますよ。所有者は何もしなくても大丈夫です」などと言葉巧みにサブリース契約を持ちかけられます。

購入者がそれを鵜呑みにして契約すると、最初のうちはきちんと約束した賃料が支払われますが、そのうち「居住者から家賃が滞っている」などと賃料が滞りがちになったり、「修繕費用が発生した」などの名目で購入者に費用が請求され、賃料と相殺を主張されるなど、購入者に不利益が生じるようになります。

購入者は、最初はサブリース業者の説明を信じて、家賃が入るのをしばらく待ったりしますが、説明を求めても返事がなかったり、契約を解除しようとすると高額な手数料が必要だと言われ、徐々に違和感を感じていくことになります。

サブリース業者の説明に不審を感じたり、突然、サブリース業者から賃料が払われなくなった場合には、弁護士へご相談ください。

(3)建物明け渡しの請求相手は?

本件の場合、建物明け渡しの請求の相手は、サブリース会社(A社)なのか、賃貸借契約書上の借主(B氏)なのか、それとも、実際の入居者(C氏)なのか。悩まれることかと思います。

このように、建物明け渡しの請求相手が明確でない場合、明け渡しの手順は少し複雑になります。三輪知雄法律事務所では、様々なタイプの建物明け渡し請求事件の取扱・解決の実績がありますので、状況に応じて適切な方法で、建物明け渡しを実現します。

契約相手であるサブリース会社が、理由をつけて契約の解除に応じない(徐々に連絡が取れなくなるケースもあります場合、交渉を経ず、裁判手続を検討することとなります。
裁判手続については、三輪知雄法律事務所の弁護士が代理人として裁判手続を行います。

(4)占有移転禁止仮処分命令申立

本件のように、借主や入居者が不明瞭な場合、「建物明け渡し請求訴訟」を行い、勝訴したとしても、実際の入居者に対して、強制執行ができない場合があります。

仮に、実際の入居者(C氏)に対して建物明け渡し請求訴訟の勝訴判決を得たとしても、訴訟手続を行っている間に、さらに別の人物へ又貸し(占有者の変更)されるかもしれません。そうなると、強制執行ができなくなる可能性があります。悪質な賃借人は、そのように、巧みに賃貸人の権利行使を妨害します

そこで、裁判所へ「占有移転禁止の仮処分命令の申立て」を行い、まずは、「建物明け渡しの請求相手」を特定する必要があります。

占有移転禁止仮処分命令申立には、保全の必要性の説明(疎明)や、法務局への担保の供託など、様々な手続きが生じますが、三輪知雄法律事務所では、仮処分の手続きに精通した弁護士とスタッフが、迅速に対応して参りますので、相談者様におこなっていただくことは特別ありません。手続きの進行については、随時メールやLINEにて、報告させていただきます。

本件は、実際の入居者(C氏)相手方(債務者)として、物件の所在地の管轄裁判所(東京)へ、占有移転禁止仮処分命令申立を行いました。

(5)仮処分執行(保全執行)手続

裁判所から、占有移転禁止仮処分命令が出たあと、裁判所の執行官に「占有移転禁止仮処分の執行」を申立てます。

そして、保管金の納付後、担当の執行官により、現地にて、仮処分の執行が行われます。
執行当日は、執行官が、建物の中に入って占有者や占有状況を調査し、占有移転禁止の仮処分命令が出ていることを記載した書面を、室内の見えやすいところに貼り付けます。

こちらの執行手続には、弁護士が同行します。本件の場合は、弁護士が名古屋から東京へ出張し、執行官とともに現地を訪れました。

当日、C氏は不在でしたが、室内の状況やその他の事情からC氏の占有状況が確認されました。

(6)建物明け渡し請求訴訟

仮処分の執行が行われると、いよいよ建物明け渡し請求訴訟に移行します。

物件の所在地の管轄裁判所(本件の場合は東京)へ、裁判を起こすこととなりますが、法律に沿った訴状の作成から、裁判所への出頭まで、すべて弁護士にて対応します。相談者様が、わざわざ仕事を休んで、遠方の裁判所へ足を運んでいただく必要はありません(裁判所の要請により、「証人尋問」のため、一度だけ裁判所に来ていただくケースもありますが、基本的にはありません)。

訴訟の相手方は、仮処分決定にて、債務者(占有者)として認定された、実際の入居者であるC氏となります。

C氏は、不在を装い、訴状を受け取らないなどして裁判を拒否しようとしたようですが、弁護士が現地調査を行い、裁判所へ居住の事実を報告し、「付郵便送達」による訴状送達を認めてもらいました。付郵便送達が認められれば、裁判所が訴状を郵便発送した時点で、相手方に送達が完了したこととなります。

(7)裁判期日~判決

訴状が届き、相手方は諦めたのか、裁判期日には出頭してきませんでした。

そして、裁判所からは、相手方に「本件の建物を明け渡せ」「未払となっている賃料全額及び遅延損害金を支払え」といった内容の判決が出されました。

(8)建物明け渡し強制執行(①催告)

裁判所より判決が出てから、相手方から不服申し立てがされませんでしたので、2週間で確定となりました。
確定した判決内容に従い、「建物明け渡しの強制執行を行いました。

賃貸物件に、執行官、立会人、弁護士、執行補助者、鍵技術者(合い鍵がない場合)が赴き、物件の占有状況を確認した後、引き渡し期限と実際に強制執行を行う日(断行日)を公示書に記載し、物件内に貼り付ける催告」という手続を行います。
執行補助者や鍵業者については、裁判所または弁護士にて手配しますし、当日は、弁護士が立ち会いますので、相談者様に何かしていただくことはありません(※1)。

本件では、弁護士が現地に赴き、催告に立ち会いましたが、相手方は不在でした。
部屋内には、相手方が使用していたエアコン、ソファ、冷蔵庫、テレビなどが残置されており、執行官より、断行を実施するとのことでした。

※1 催告・断行に伴い発生した執行補助費用、鍵交換費用などにつきましては、相談者様のご負担となります。

(9)建物明け渡し強制執行(②断行)

催告日に、部屋内に家具や電化製品など、残置物が確認された場合、引渡期限(催告から1ヶ月)までに、実際に執行補助者(動産処分業者)が物件から荷物を運び出すことになります。荷物を運び出し、実際に強制執行が行われることを、「断行」といいます

執行補助者は、催告の時に同行し、搬出や処分に掛かる費用の見積りをします。通常は、断行日に運び出した荷物は、通常、執行官の判断で、一定期間保管された後に処分されたり、保管期間を設けず廃棄処分の指示が出たりします。

断行には、弁護士も立ち会います。今回も、相手方は不在でした。
本件では、訴状や判決が届き、諦めたのか、相手方は家具や家電を残したまま、強制執行までの間に退去したと思われます。

なお、相手方が不在とか連絡が付かないからといって、強制執行などの裁判手続を経ることなく、家主が部屋内の残置物(家具家電など)を勝手に搬出したり、処分したりすることはできませんので、ご注意ください。

(10)建物明け渡しの完了

断行後、鍵の交換などを行い、明け渡しの完了となります。

本件では、オートロック対応キーを相談者様にお渡しして、終結となりました
案件の進行や相談者様の希望にもよりますが、本件の場合、相談者様との打ち合わせは、初回の相談のみで、それ以降は、メールや電話等で報告などをさせていただきました
裁判所で行われる裁判はもちろん、保全執行や強制執行(催告・断行)の手続も、平日の日中に行われます。
また、相手方が訴状等を受取らない場合、裁判所より、付郵便送達や公示送達を行うため、相手方居住地の現地調査を行うよう要請されることとなります。
個人で対応しようとすると、会社勤めをされている方の場合、このことのみで、4日~7日程度も有給休暇を取得しなければならず、現実的ではありません

相手方の対応や物件の状況により、最適なアプローチが変わってきますので、サブリース会社との賃貸借契約トラブル、建物明け渡しの強制執行については、専門知識があり、経験豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします

4.解決までに要した期間と三輪知雄法律事務所の弁護士費用

三輪知雄法律事務所が解決までに要した期間と弁護士費用は以下のとおりとなります。

解決までに要した期間と弁護士費用

●ご相談から解決までの期間:約1年程度

●三輪知雄法律事務所の弁護士費用
 ・着手金:33万円(消費税込)
 ・報酬金:33万円~55万円程度(消費税込)


※実費、日当等は別途(執行費用並びに遠方の場合、交通費及び出張手当などの費用が別途発生いたします)。
※費用は、あくまで参考としてお示しするものであり、個別の案件やご相談内容によっても異なりますので、詳細は法律相談の際に担当弁護士までお問い合わせください。

5.三輪知雄法律事務所の担当弁護士からのコメント

三輪知雄法律事務所

担当弁護士:三輪 知雄

出身地:名古屋市。出身大学:京都大学法科大学院。主な取扱い分野は、立ち退き等不動産事件、企業法務、相続事件。

入居者の募集や家賃の回収を一括して管理会社が行ってくれて、一定の家賃収入が見込めるサブリース契約は魅力的です。
しかし、近年、サブリース会社から、何かと理由をつけて賃料を滞納されたり不明な名目で請求がなされるがどうしたらよいかなどといったご相談を多く受けます。

また、本件のように、相談者様からサブリース契約の解約(解除)を申し入れても、サブリース会社が解約に応じず、音信不通になり、さらには勝手に第三者を勝手に住まわせその人物が出て行かない物件を取り戻すことすら困難になるといった難しいトラブルも増えています。
こういったトラブルでは、サブリース会社や賃借人は悪質であることが多く、修繕費用や手数料を請求したり、何かと理由を付けて賃料を滞納して、所有者に損害を与えます。

本件のように現実の居住者が不明の場合には、訴訟中に入居者が替わり(占有者を変更され)、たとえ、建物明け渡し訴訟で勝訴しても、強制執行ができず、いたちごっこのような状態に陥る可能性もあります。色々悩んでいるうちに、費用や時間の浪費になるばかりか、滞納された賃料の金額も増大することになり、損失が大きくなってしまう可能性もありますので、ご自身で交渉せず、早めに弁護士にご相談ください。

サブリース不動産の賃料滞納や、サブリース会社から名目がよく分からない請求がなされるので、サブリースを解約したいなどのご相談について、お気軽に三輪知雄法律事務所の法律相談(初回無料)をご利用ください。

6.三輪知雄法律事務所のサブリース解約/建物明渡請求に強い弁護士へのお問い合わせ

三輪知雄法律事務所の「サブリース解約/建物明渡請求に強い弁護士」へのお問い合わせは、以下の「電話番号(受付時間・平日 9:00~18:00)」にお電話いただくか、メールフォームによるお問い合わせも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

※この記事は公開日時点の法令をもとに執筆しています。
※個人情報保護及び争点の理解等の観点から、結論に影響がない範囲で事案の一部を変更している場合があります。